前回、PMT関数を使用して、元利均等返済における毎月の返済額を計算しました。
今回は、元利均等返済におけるN回目の返済額(例えば、1回目の返済額)のうち、元金部分はいくらなのか、利息部分はいくらなのかを計算してみたいと思います。
はじめに
PMT関数と元利均等返済については、以前に説明をしましたので、下記をご覧ください。
PPMT関数とIPMT関数
PPMT関数は、元利均等返済におけるN回目の返済額のうち、元金部分の金額を求める関数です。
IPMT関数は、元利均等返済におけるN回目の返済額のうち、利息部分の金額を求める関数です。
図1をご覧ください。図1は元利均等返済のイメージ図です。濃い黄色で塗りつぶしをしている範囲(N回目の返済における元金部分)がPPMT関数を使って求めることのできる金額です。
図1:元利均等返済のイメージ図(元金部分と利息部分)
濃い緑色で塗りつぶしをしている範囲(N回目の返済における利息部分)がIPM関数を使って求めることのできる金額です。
今回も例を使ってみていきましょう。
例)1回目の返済額の内、元金部分と利息部分を求める。条件は、借入額3,000万、利率1.5%、年数35年、元利均等返済とする。
図2のように借入額をB2セル、利率をB3セル、年数をB4セルに入力し、B7セルに元金部分の金額、D7セルに利息部分の金額を求めたいとします。
PPMT関数の書式
それでは、PPMT関数の書式を見ていきましょう。PMT関数と共通の部分が多いので、PMT関数を使用したことがある方はすぐに使えると思います。
利率
第一引数の利率は、金利を入力します。
今回はB3セルが利率なので、B3を入力しますが、月単位の支払のため、12で割る必要があり、B3/12を入力します。
期
第二引数の期には、期を入力します。
今回のような住宅ローンの場合、1回目の返済であれば1、2日目の返済であれば2のように入力します。
例では、1回目の支払いという条件なので、1を指定します。
期間
第三引数の期間は、借入の期間を入力します。ここでは、支払回数を入力します。
今回は返済期間が35年で毎月支払いを行います。そのため、1年あたり12回支払いを行うことになるため、35*12となります。今回B5セルに年数が入力されているため、引数にはB5*12を入力します。
現在価値
第四引数の現在価値は、借入額を入力します。
今回は借入額の30,000,000がB2に入力されていますので、引数にはB2を入力します。
将来価値(省略可能)
第五引数の将来価値は、最後の支払を終えた後に残っている金額(価値)を指定します。
今回は使用しないので省略します。(住宅ローンの借入金の将来価値は0のため。)
支払期日(省略可能)
第六引数の支払期日は支払が行われる時期を、0または1で指定します。0または省略の場合、期末支払、1を指定したときは、期首支払となります。今回は省略します。
以上をまとめると次のようになります。
今回のポイントは、第一引数の利率と第二引数の期間の単位をそろえることです。住宅ローンにおいては、月単位の支払となるため、月単位でそろえる必要があります。第一引数の利率は12で割り、第三引数の期間の35年については、支払回数となるため、12を掛けるという感じになります。このことを忘れてしまうと、正しく出力されないため注意しましょう。
また、PMT関数の結果であるB6セル(図3)がマイナスとなっています。PMT関数は返済額の場合、マイナスになります。マイナスが気持ち悪いよという方は、PMT関数の引数の現在価値にマイナスで入力するといいかもしれません。
IPMT関数の書式
次はIPMT関数の書式です。