今回は、画像の編集ソフトであるGIMPで、対象物を抽出して背景を透過にする方法をご紹介します。
対象物を抽出して背景を透過にする
今回は次の図を使ってみます。こちらの画像はWindowsのペイントで適当に作成しました。
図1:今回使用する画像
背景を透過にする設定
ツールバーの「レイヤー」→「透明部分」→「アルファチャンネルの追加」をクリックします。この操作を行うことで、画像を抽出して、背景を切り抜いたときに、背景が透過になります。ちなみに、この作業を行っても画面上に大きな変化はありません。
対象物を抽出する方法
対象物を抽出するには、ツールボックスにある「前景抽出選択」を使用します。今回は、例として赤色の五角形を抽出してみます。
図2:前景抽出選択
ツールボックスにある「前景抽出選択」を選択し、抽出したい部分の輪郭を大まかに囲っていきます。(図3)
図3:輪郭を描く
抽出したい対象物を塗っていきます。すると、抽出する対象に色が付きます。(図4)左クリックをしながら、色を塗っていくと前景として、右クリックをしながら色を塗っていくと背景として処理されていきます。
図4:抽出したい対象物に色を塗る
抽出したい部分に色が付いたら、ENTERを押します。
抽出した部分が選択されます。点線で囲われていると思います。
今回は、背景を透明にしたいので、ツールバーの「選択」→「選択範囲の反転」で選択範囲を反転させます。こうすることで、先ほど、抽出した部分以外が選択されていることになります。
この状態で「編集」→「切り取り」をクリックします。もちろん、Ctrl+Xとショートカットキーを利用しても大丈夫です。
すると、図5のように対象物のみ残されて、背景は、灰色になります。この灰色の部分が実際の画像では透明になります。
図5:抽出した結果
余分な部分はトリミング(切り抜き)をしておきましょう。ツールボックスのトリミングを選択します。
図6:トリミング
トリミングをしたい範囲を選択します。(図7)
図7:トリミング(選択)
範囲を選択した状態でENTERキーを押すと、次のようになります。(図8)
図8:トリミング結果
この状態で、「ファイル」→「名前を付けてエクスポート」をクリックし、PNG形式で保存すれば、完成です。
よくあるJPEGで保存しないのは、JPEGが透過に対応できないためです。
おわりに
今回は、背景を透過にする方法のひとつをご紹介しました。今回は、簡単な図形で行いましたが、同様の手順で、人物などを抽出することも可能です。