こんばんは。
Excelの数式に$(ドルマーク)が付いているのを見かけることがありますよね。私も最初に見たときは、「何コレ?どういう意味?」となった記憶があります。
この$マークは、参照方法を設定しているもので、絶対参照と呼ばれるものです。
今回は、$マーク、参照についてみていきたいと思います。
相対参照と絶対参照
はじめに用語の説明をします。
相対参照
セルをコピーしたとき、コピー先のセルに合わせて相対的に数式が変化する参照方法。
(使用例):=A1
絶対参照
セルをコピーしたとき、行、列ともに固定する参照方法。
(使用例):=$A$1
複合参照
セルをコピーしたとき、行または列どちらか一方を固定する参照方法。
絶対行参照
セルをコピーしたとき、行のみを固定する方法。
(使用例):A$1
絶対列参照
セルをコピーしたとき、列のみを固定する方法。
(使用例):$A1
使用例
ここまで、言葉だけで解説をしましたが、言葉ではわからないので、実際に使用例を見ていきましょう。
今回は、基準値に掛率を掛けてみましょうという例です。ここで、掛率は固定値で0.9とします。
図:相対参照と絶対参照(例)
相対参照
はじめに相対参照から見ていきましょう。
D6のセルに数式を入力します。今回は基準値(①)に掛率(②)をかけるので、
で求められますね。
すると、80*0.9で72となることがわかります。
それでは、コピーまたはオートフィル機能を使ってD10まで数式を入れてみましょう。
するとどうなるでしょうか。
例えば、E7のセルの数式を見てみると、
となっています。本来は、
となっていてほしいところですが、数式を入力している位置が1行分下にずれることによって、数式の内容も1行分相対的に下にずれていることがわかります。このように相対的に式が参照されているので相対参照と呼ばれています。
絶対参照
次は、絶対参照です。
先ほどと同様に、基準値①に掛率②をかけてみましょう。
例えば、C14のセルに掛率のC2をかけます。
相対参照で記述すると、
となりますが、今回は相対参照と絶対参照を使ってみましょう。
C14は$マークがついていないので相対参照、C2は$マークがついているので絶対参照となります。
それでは、コピーまたはオートフィル機能を使ってD14の数式をD18まで入れてみましょう。
どうなったでしょうか。
例えば、D15のところを見てみると、
となっていることがわかります。
C15は相対参照なので、数式を入力した位置が変わることによって、相対的に数式の内容も変わっていることがわかります。
一方、C2は絶対参照なので数式を入力した位置が変わっても、数式の内容が固定されている、つまり、変わっていないことがわかります。
このように、セルの内容を行、列ともに固定する参照方法を絶対参照と呼びます。
今回は、行、列ともに固定する絶対参照を使う例を紹介しましたが、行のみを固定する絶対行参照や列のみを固定する絶対列参照というのもあります。
最後に
数式の入力しているときに「F4」キーを押すと、絶対参照($A$1)→絶対行参照(A$1)→絶対列参照($A1)→相対参照(A1)→絶対参照($A$1)→・・・というように切り替わります。
今回のポイントは固定したい部分に$を付けることです。コピーやオートフィル機能を使うときに、絶対参照と相対参照を知っていると非常に便利ですので、是非覚えてみてください。