今回も住宅ローンに関係するExcelの関数のご紹介です。
以前、元利均等返済における毎月の返済額を計算するPMT関数、元利均等返済におけるN回目の返済額のうち、元金部分の金額を求める関数のPPMT関数、利息部分の金額を求めるIPMT関数について説明しました。
今回は、元利均等返済における元金の累計額を求めるCUMPRINC関数、利息の累計額を求めるCUMIPMT関数についてご紹介します。
はじめに
今回は住宅ローンに関係するExcelの関数であるCUMPRINC関数とCUMIPMT関数について説明します。
CUMPRINC関数とCUMIPMT関数
CUMPRINC関数は元利均等返済における元金の累計額を求める関数です。CUMIPMT関数は元利均等返済における利息の累計額を求める関数です。
例えば、元利均等返済におけるi回目からn回目までの返済額について、元金の累計額を求めたいというときにCUMPRINC関数(図1の黄色部分)、利息の累計額を求めたいというときにCUMIPMT関数(図1の緑色の部分)を使用します。今回も例を挙げてみるので、例を使いながら見ていきましょう。
図1:CUMPRINC関数とCUMIPMT関数のイメージ
例
元利均等返済における25回目から36回目まで(2年目~3年目の返済)の返済額について、元金部分と利息部分の累計額を求める。借入額は3,000万円、利率は1.50%、年数は35年とします。(図2)
CUMPRINC関数の書式
CUMIPMT関数の書式
今回はCUMPRINC関数を利用するという前提で、各引数を見ていきます。CUMPRINC関数とCUMIPMT関数の引数は同じなので、CUMIPMT関数を利用する場合も同様に考えてください。
利率
第一引数の利率は、金利を入力します。
今回はB3セルが利率なので、B3を入力しますが、月単位の支払のため、12で割る必要があり、B3/12を入力します。
期間
第二引数の期間は、借入の期間を入力します。ここでは、支払回数を入力します。
今回は返済期間が35年で毎月支払いを行います。そのため、1年あたり12回支払いを行うことになるため、35*12となります。今回B5セルに年数が入力されているため、引数にはB5*12を入力します。
現在価値
第三引数の現在価値は、借入額を入力します。
今回は借入額の30,000,000がB2に入力されていますので、引数にはB2を入力します。
開始期
第四引数の開始期は、累計額を求めたい最初の期を入力します。
今回は開始期がB5に入力されていますので、B5を入力します。
終了期
第五引数の修了期は、累計額を求めたい最後の期を入力します。
今回は修了期がB6に入力されていますので、B6を入力します。
支払期日(省略不可)
第六引数の支払期日は支払が行われる時期を、0または1で指定します。0または省略の場合、期末支払、1を指定したときは、期首支払となります。今回の場合は、0を指定します。
補足
CUMPRINC関数、CUMIPMT関数のいずれも返済額はマイナスの値で出力されます。
住宅ローンにおいては、月単位の支払となるため、月単位でそろえる必要があります。引数の利率は12で割り、期間の35年については、支払回数となるため、12を掛けるという感じになります。このことを忘れてしまうと、正しく出力されないため注意しましょう。
例の答え
今回の例において、元利均等返済における25回目から36回目まで(2年目~3年目の返済)の返済額について、元金の累計額は次のようになります。
元利均等返済における25回目から36回目まで(2年目~3年目の返済)の返済額について、利息の累計額は次のようになります。
参考(PMT関数、PPMT関数、IPMT関数)
元利均等返済における毎月の返済額を計算するPMT関数については下記をご覧ください。
元利均等返済におけるN回目の返済額のうち、元金部分の金額を求める関数のPPMT関数、利息部分の金額を求めるIPMT関数については下記をご覧ください。